2007年5月31日木曜日

彼女のこと。

職場の店長が、7月、中国へ旅行に行くことになったそうです。
ただし、行き先は市街から遠く離れた山の奥だそうで、
ガタガタ道を、えっちらおっちら歩く旅なのだとか。
67歳の挑戦、だそうです。

そのことを、店長と同級生の先輩と話していたら、
先輩が、満州の生まれだったということを思い出し、
どこに住んでいたのか、
どんな暮らしだったのかという話題になりました。

そうして、彼女が満州で生まれ育ち、中国へ移り、
終戦後、日本へ引き上げてきた足跡をたどると、
その過酷さと、想像も及ばないような苦労に、
私は、言いたいことがうまく出てこなくて、
涙がじんわりと、浮かんできたのでした。

彼女の苦労と、何よりも、家族を守ったご両親の苦労。
当時、多くの日本人がそうやって、
永住の地となるはずだった場所を追われ、
行くあての保証などない、日本に帰ってきた。
家族全員が生きて会えることが、奇跡だった時代のこと。

それを体験した人が、こんなに身近にいたんだと、
10年近くこの職場にいて、初めて知りました。